2020年3月19日は豪ドルにとって歴史的な1日。
史上初のパリティ割れ
日本時間19日午前2時
豪ドル/NZドルが史上初のパリティ(1.00)を割り込みました。
豪ドルとNZドルは地理的に近く同じ英連邦に属しているので、景気サイクルも似たような動きになり易いです。
よって豪ドル/NZドル相場は比較的値動きが小さく安定通貨と呼ばれています。
2005年に1.002まで下落したことが有りましたが、パリティ(1.00)は割れませんでした。
ちなみにオーストラリアの名目GDPは2018年時点で世界14位14,200億USドルで、ニュージーランドは世界53位2,030億USドルです。
(参考として日本は世界3位49,720億USドルです)
つまり経済規模の段違いに大きい豪ドルは常にNZドルの価値を上回る水準で推移してきました。
それが今年2月からの新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界経済の停滞と原油をはじめ資源価格の急落により豪ドルが売られる流れが強まりました。
そして3月19日に史上初のパリティ割れを起こし、0.9996まで下落、豪ドルの価値がNZドルの価値を下回ったのです。
RBAロウ総裁為替介入示唆
日本時間19日午後3時
RBAとはオーストラリア連邦の中央銀行で日本でいう日本銀行と同じ国の中央銀行です。
RBAロウ総裁が「必要で有れば為替相場に介入する」と発言しました。
日本でも円高が急速に進んだ場合よく行われる「口先介入」と同じで、実際に介入していません。
しかし相場はこの発言を受け急速に豪ドル買いの方向に進みました。
(豪ドル/円 時間足)
(豪ドル/円 日足)
今後の豪ドル相場は
2008年リーマンショック時につけた1豪ドル55円に突き進むような動きでしたが、一旦落ち着いた形です。
なお、直前まで60円を割り込んでいました。
(豪ドル/円 月足)
米ドル/円が円安に振れているにも関わらず豪ドル/米ドルの豪ドル売りが強すぎて豪ドルはどこまでも売られる展開が続いていました。
(豪ドル/米ドル 日足)
米ドル > 日本円 > 豪ドル の順番で強かった流れが変わるのか?。
口先介入は失敗することが多い
過去に日本でも口先介入は何度も行われていますが、相場の流れを変える事は殆ど出来ていません。
口先介入どころか実際に相場に中央銀行が介入しても、相場の流れを変える事はなかなかできなず、ずるずる円高に振れていった過去は何度もあります。
今回の介入示唆で豪ドル高に向かうと決めつけずに、再度豪ドル安が進む恐れがあるので注意が必要です。
ちなみの原油の減産合意が出来れば豪ドル高が進むでしょうが。
KIMONOトレーダーと呼ばれる日本人に多いスワップ狙いの長期保有トレーダーにとって神経質な相場はまだまだ続きそうです。
政策金利も下がって既にスワップポイントが有利な通貨では無くなりましたが。
今日は豪ドル/NZドルという比較的マイナーな組合せで史上初めて起きた事象を取り上げてみました。
本日も最後まで読んで頂き有難うございます。