長期投資を行う際によく比較される
「全世界株式インデックスファンド」と「米国株式インデックスファンド」
今回は長期投資にはどちらが、より良いのか考察していきます。
以前の記事
全世界株式インデックスファンド(信託報酬・構成比率で比較)お薦め3選+1 - 経済的自由への道blog
で「全世界株式インデックスファンド」の構成比率は「米国」が55%程度になっています。
言い換えれば米国に100%投資するのか、
米国に55%その他45%に分散する方が良いのか比較になります。
また「新興国株式インデックファンド」も併せて比較したいと思います。
投資信託比較
比較は販売額が大きく販売期間の長いeMAXISシリーズで行います。
現在、信託報酬の低い「eMAXIS Slim」シリーズもありますが、販売してから期間が短いので比較するにはデータが少ないとして外しています。
(2020年4月5日時点データ)
モーニングスターレーティング(総合)
モーニングスターレーティングは、手数料控除後リターンが短期金利をどの程度上回ったかを示す超過リターンと、短期金利をどの程度下回ったかを示す「下方乖離リスク」をもとに計算され、5段階の★印で表示します。
★が多い方がリスクに対しリターンが高いことを表します。
新興国株式:★★★★
全世界株式:★★★
米国株式 :★★★★
シャープレシオ(5年)
シャープレシオ(Sharpe Ratio)とは、リスク調整済みリターンを計測する手法のこと。ポートフォリオにおける超過リターンがポートフォリオのリスクに占める割合(比率)のこと。
リターンに対しリスク(ブレ幅)が少ないと数値が高くなります。
より安定的に運用すると高くなる数値です。
新興国株式:0.04
全世界株式:0.24
米国株式 :0.40
標準偏差(σーシグマ(5年))
標準偏差とは平均からどれくらいのバラつきがあるかの数値です。
大きいほど振れ幅が大きいです。
新興国株式:17.92
全世界株式:15.96
米国株式 :16.96
リスクメジャー(3年)
リスクメジャーは、基準価額の変動をリスクととらえた「標準偏差」が、全ファンド(※)の中でどの水準にあるかを1(低)から5(高)までで示したものです。
新興国株式:4
全世界株式:3
米国株式 :4
その他の指標
その他の指標として、ベータ、アルファ、トラッキングエラー、インフォメーションレシオがありますがこれらの指標は市場平均やベンチマークに対する指標なので、今回の比較対象にはならないとして外します。
まとめ
長期投資で比較した場合、全世界株式インデックスファンドの方がリスク(ブレ幅)が小さくより安定的な数字が出ています。
一方でリスクに対するリターンは米国株式インデックスファンドの方が良い数字が出ています。
将来的に同じリターンだとすると、ドル・コスト平均法で積み立てた場合はリスク(ブレ幅)が大きい方が有利です。
詳細は下記の記事を参照下さい。
【図解】ドル・コスト平均法の有効な使い方 - 経済的自由への道blog
「新興国株式インデックスファンド」は長期投資では中国への比率が高いので、一歩後退しています。
リスクとリターン、ブレ幅を考慮すれば「全世界株式インデックスファンド」より「米国株式インデックスファンド」の方が有利だと判断します。