14日総務省が日本の総人口を発表しました。
2019年10月1日時点の推計データは下記の通りです。
総人口:1億2617万7000人
(前年比27万6000人)
生産年齢人口割合:59.5%
(前年度59.7%)
高齢者割合:28.4%
(前年度28.1%)
総人口は順調に減少しています。
生産年齢人口割合も前年度が0.2ポイント下がりました。
一方、高齢者(65歳以上)割合は0.3ポイント上昇しました。
総務省が発表した日本の最新人口ピラミッドです。
現在45~48歳(1971年~1974年生まれ)の第2次ベビーブーム世代が生産年齢人口割合を押し上げています。
言い換えれば、この第2次ベビーブーム世代が高齢者になる20年後には生産年齢人口割合は悲惨なものになる事が分かります。
生産年齢人口割合と経済については「人口ボーナス」と「人口オーナス」という考え方があります。
「人口ボーナス」
15~65歳の生産年齢人口が、それ以外の従属人口(0~14歳、65歳以上の人口)の2倍以上ある状態。
この人口構成になっている国や地域は「若い国」ともよばれ、都市化の進展、工業化による所得増、消費活発化により高い経済成長率を実現する潜在能力がある。
日本は1960年代から1990年代初頭まで人口ボーナス期にあり、この間に急速な工業化と高度経済成長を成し遂げた。
現在、アジア諸国のうち中国、インドネシア、韓国、タイ、ベトナムが人口ボーナス期にあり、いずれも急速な工業化が進展している。
「人口オーナス」
人口ボーナスの対になる語は人口オーナスで、オーナス(onus)とは負担・重荷の意味。
人口オーナス期にある国では従属人口の比率が上昇し、「年老いた国」へと変貌していく。
日本は1990年代なかばから人口オーナス期に入っている。
つまり「人口ボーナス」は15~64歳の人口割合が他の2倍(全人口の66%以上)の状態で、「人口オーナス」は人口ボーナス期以降で高齢者割合が高い状態、現在の日本そのものです。
日本の合計特殊出生率は2018年で1.42です。
合計特殊出生率とは、一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均を示しています。
この数字が2.07以上無いと人口維持できません。
現状は、ほど遠い数字です。
総括すると日本の人口減少は留まることなく「人口オーナス期」、「年老いた国」がより顕著になることは間違いないです。
この状況で日本株、特に内需に頼る産業は厳しいです。
人口減少はかなり前から報道もされてきていました。
しかし改めて数字で示されると、人口減少及び高齢者社会へのスピードが上がっている事が分かります。
現状では日本に投資、特に内需関係及び長期投資は賢い選択では無いと言わざる得ません。
以前の人口ボーナス期に関する記事も良ければ一読下さい。