経済的自由への道blog

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金利上昇で投資より返済が得?利回り5%でも変わる“分岐点”を解説

はじめに 「投資と住宅ローン返済、どっちを優先すべき?」

ここ最近、金利がじわじわ上がってきていますね。

ニュースでは「日銀が利上げを検討」といった見出しを目にする機会も増えました。

そんな中でよくある悩みがこれ。

「投資で年5%のリターンが出ているけど、住宅ローンの繰り上げ返済をした方がいいの?」

この疑問、実は答えが“人によって違う”んです。

でも、判断の目安となる「分岐点」はあります。

この記事では、

・金利が上昇する今、繰り上げ返済は得なのか?

・投資利回り5%とどう比べればいいのか?

・損をしないための考え方と優先順位

を、できるだけやさしく・数字を交えて解説していきます。

 

第1章 金利上昇がもたらす「投資 vs ローン返済」問題

住宅ローンの金利が1%台だったころは、

「返済よりも投資をした方が得」と言われていました。

 

たとえば住宅ローン金利が1%、投資の利回りが5%なら、

明らかに投資を優先した方が効率的。

1万円返済で得られる「確定リターン」は1%にすぎませんが、

投資に回せば5倍のリターンを狙えるからです。

 

しかし金利が3%、4%と上がってくると話は変わります。

ローン返済で得られる「利息削減効果」が大きくなり、

投資のリスクとリターンのバランスが逆転しはじめます。

 

第2章 繰り上げ返済の“リターン”とは?利息削減効果を数字で見る

繰り上げ返済は「確実に得をする投資」です。

なぜなら、支払わずに済む利息分がリスクゼロのリターンになるから。

 

たとえば、こんなケースを考えてみましょう。

・住宅ローン残高:3,000万円

・金利:3% 残り返済期間:25年

・繰り上げ返済額:100万円

このとき、概算で

利息削減効果 ≒ 100万円 × 3% × 25年 ÷ 2 = 約37.5万円。

 

つまり、100万円を繰り上げ返済することで、

将来支払う利息を37.5万円減らせるわけです。

 

トータルで見れば 37.5%の確実なリターン を得たことになります。

ただし25年間で得る効果なので、年率換算するとおよそ 1.5%〜3%程度

(正確な値は返済スケジュールや残存年数によって変わります)

 

これが、ローン返済による“確定利回り”です。

 

第3章 投資利回り5%との比較:どこが分岐点?

一方で、投資で5%の利回りを狙えるとします。

税引き後(20.315%の課税)で考えると、手取り利回りは 約4% になります。

 

この4%と、住宅ローン返済の確定利回り(1.5〜3%)を比較すると

 

ローン金利が2%以下:投資を優先した方が得。

ローン金利が3〜4%:どちらでもよく、リスク許容度で判断。

ローン金利が4%以上:繰り上げ返済を優先した方が合理的。

つまり、分岐点は金利4%前後というのが目安になります。

 

ここを超えると、投資の「期待リターン(4%)」よりも

ローン返済の「確実リターン(4%以上)」の方が上回るわけです。

 

第4章 ローン残高と投資資金のバランスも重要

金利だけでなく、残高の大きさや投資資金の規模も重要です。

ローン残高が大きい場合

・支払う利息の総額が大きくなるので、

 繰り上げ返済の効果がより大きくなります。

・残高が多いほど「金利上昇の影響」も受けやすい。

たとえば残高3,000万円・金利3%だと、

年間利息は単純計算で 約90万円

このうち少しでもカットできるのは確実なリターンです。

 

投資資金が大きい場合

・投資元本が大きいほど、複利の力で資産は増えます。

・たとえば1,000万円を年5%で回せば10年で約1,629万円。

 一方で100万円を繰り上げ返済しても利息削減は数十万円規模。

このように、残高が大きいほど返済有利、投資資金が大きいほど投資有利という傾向があります。

 

第5章 リスクと心理面の違いも無視できない

ここまで数字で比較してきましたが、もう一つ大事なのが心理面です。

・投資のリターンは「期待値」。市場の上下動に左右されます。

・ローン返済の利息削減は「確実」。金利分の節約は保証されています。

また、「借金が減る安心感」も見逃せません。

投資で得をしても、ローン残高が減らないと心理的に不安という人は多い。

逆に、「ローンは長期的に組んで、資金は増やす方に使うべき」と考える人もいます。

どちらを重視するかは、性格やリスク許容度によります。

 

第6章 住宅ローン減税の期間中は焦らない

日本では住宅ローン減税(年末残高の0.7%が控除)があるため、

控除期間中は返済を急ぐのは損になることがあります。

 

たとえば年末残高が3,000万円なら、控除額は年間21万円。

実質的に「0.7%の補助金」を受けているのと同じです。

 

この場合、実質金利が下がるため、

金利2.5%のローンなら、控除を引いた実質金利は約1.8%程度になります。

 

減税があるうちは投資優先、終了後に返済を検討、という流れが賢明です。

 

第7章 最適な優先順位の考え方(実践ステップ)

最終的には、「生活の安定」と「リターンの最大化」をどう両立させるか。

以下のステップで考えると判断しやすくなります。

 

ステップ①:生活防衛資金の確保

まずは現金で生活費6か月~1年分を確保。

これがないと、どちらを選んでも不安定になります。

 

ステップ②:住宅ローン減税の有無を確認

控除期間中は無理に繰り上げない。税制メリットを最大限活用。

 

ステップ③:ローン金利と投資利回りを比較

・税引後利回り > 実質ローン金利 → 投資優先

・実質ローン金利 > 税引後利回り → 返済優先

 

ステップ④:心理的安心感も考慮

「ローンを減らしたい」「借金が気になる」人は返済側へ。

「資産を増やしたい」「時間を味方につけたい」人は投資側へ。

 

第8章 まとめ 分岐点は“金利4%”が目安

最後に、この記事のポイントをまとめます。

比較項目 投資 繰り上げ返済
リターン 年5%(税後4%) 金利分の節約(確実)
リスク 市場変動あり リスクゼロ
有利になる金利水準 金利3%以下 金利4%以上
心理的効果 資産が増える喜び 借金が減る安心感
おすすめ時期 減税期間中・低金利時 減税終了後・高金利時

つまり、いま金利が3%を超え、4%に近づいているなら、

「投資よりも返済を優先する」選択が現実的になってきます。

 

逆にまだ2%前後なら、焦って返済するより

「手元の資金で投資+現金クッション」を維持する方が有利です。

 

おわりに “確実な利回り”をどう見るか

投資で年5%を狙うのは決して簡単ではありません。

市場が荒れれば一時的にマイナスもあり得ます。

 

一方で、住宅ローンの繰り上げ返済は「確実に金利分の利息を削減」できる、

リスクゼロの“固定利回り投資”のようなもの。

 

金利上昇局面では、この「確実なリターン」の価値が相対的に上がります。

最終的には、

「どちらがより安心して長く続けられるか」

で決めるのが正解です。

 

投資と返済、どちらも“お金を増やす行動”に変わりはありません。

あなたの金利・利回り・ライフスタイルに合わせて、

いまのベストバランスを見つけていきましょう。

 

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