
- はじめに:保険って本当に必要?
- 保険が多すぎる日本人 「安心」を買いすぎていない?
- 保険の本質は「自分で負えないリスクにだけ備える」
- 共済という選択肢 「安くて、ちょうどいい」
- 家族構成別:最低限入っておきたい保険
- 保険より「貯蓄・投資」の方がリスクに強い理由
- まとめ:保険は「愛情」ではなく「確率」で考えよう
- 読んでおきたいおすすめ本3選
- さいごに
はじめに:保険って本当に必要?
「保険って、どこまで入るべきなんだろう…」
一度はそんなふうに悩んだこと、ありませんか?
社会人になったころに「とりあえず入っておこう」と勧められたまま、なんとなく続けている人も多いと思います。
でも実は今、「保険は最低限で十分」と考える人がかなり増えているんです。
理由はシンプルで、昔よりリスクが小さくなっているから。
医療の自己負担も軽くなり、公的保障も充実してきています。
それなのに、昔の感覚のまま“安心料”を払い続けている人が多いんですよね。
今日は、そんな保険の考え方をもう一度整理してみましょう。
結論から言うと
「ほとんどの家庭は、共済と貯蓄で十分」です。
保険が多すぎる日本人 「安心」を買いすぎていない?
日本人の約8割が生命保険に加入しています。
一人あたりの平均年間保険料はおよそ10~20万円。
けっこうな金額ですよね。
でも実際、「何のために入っているか説明できる人」は少ないんです。
よく聞くのはこんな声です。
・「親や職場で勧められたから」
・「病気になったら不安だから」
・「なんとなく入っておかないと心配で」
つまり“根拠より気持ち”で入っているケースが多い。
でも冷静に考えると、ほとんどのリスクはすでに国の制度でカバーされています。
たとえば医療費。
高額療養費制度を使えば、1カ月に払う自己負担の上限は数万円程度。
がん治療のような高額医療でも、実際の支払いは想像よりずっと少ないんです。
それでも「がん保険」「入院保険」「先進医療特約」などを積み重ねていくと、月々の保険料はどんどん膨らむ。
気づけば“安心”を買うために家計を圧迫している、なんてこともあります。
保険の本質は「自分で負えないリスクにだけ備える」
ここを押さえておくと、一気に整理できます。
保険の役割は「自分で払えないリスクを肩代わりしてもらうこと」。
たとえば次のようなケースです。
・事故や病気で働けなくなった
・早死にして家族の収入が途絶えた
・火災で家を失った
こういう“人生が破綻するレベルの損失”には保険が必要です。
でも、数万円〜数十万円で済むようなリスクは、貯金で対応できます。
つまり、「破産級のリスク」以外は保険で守らなくてもいいという考え方です。
共済という選択肢 「安くて、ちょうどいい」
では「最低限で十分」と言ったとき、どんな形がいいか。
おすすめするのは「共済」です。
共済って、名前は聞いたことがあっても詳しく知らない人も多いですよね。
県民共済、都民共済、こくみん共済coop(旧・全労済)などが代表的です。
特徴を簡単に言うとこんな感じ。
・掛け金が安い(月1,000〜2,000円くらい)
・医療・死亡・障害をまるごとカバー
・割戻金(戻り金)がある年もある
つまり「ほどほどの保障を、すごく安く」持てるんです。
営業もほぼなく、仕組みもシンプル。
まさに“必要最低限”の保険です。
共済は営利目的ではないので、保険会社のように大きな利益を求めません。
だからコストが安く済む。
「高い保険料を払って安心を買う」より、「共済+貯蓄」でリスク分散するほうが合理的です。
家族構成別:最低限入っておきたい保険
夫婦+子どもありの場合
子どもがいる家庭で一番大きいリスクは、「収入を得ている親が亡くなること」です。
この場合、遺族年金という公的保障があります。
たとえば夫が厚生年金に加入していれば、妻と子どもに年間100万〜200万円ほど支給されます。
さらに児童手当もありますから、ある程度の生活費は確保できるんですね。
それでも心配なら、「定期保険(掛け捨て)」で数年間の生活費をカバーするくらいで十分です。
終身保険や学資保険までは不要。
学費は貯金や積立NISAで準備できますし、医療リスクは共済で十分カバーできます。
おすすめ構成:定期生命保険+共済(医療補助)
夫婦のみ・子どもなしの場合
このケースでは、生命保険すら不要かもしれません。
どちらかが亡くなっても、もう一方が生活できるケースが多いからです。
あえて入るなら、入院・手術などの医療共済を1つだけ。
あとは葬儀費用程度の貯蓄があれば十分です。
おすすめ構成:共済のみ or 医療特約つき共済
保険より「貯蓄・投資」の方がリスクに強い理由
毎月2〜3万円の保険料を払っていると、年間で30万円。
10年で300万円です。
これを積立投資に回していたらどうでしょう?
年利3〜5%でも、10〜20年後には数百万円〜1000万円近くになります。
つまり保険に払っていたお金を「自分の守りに回す」ことができる。
しかも、どんなリスクにも自由に使える資金になります。
保険はあくまで“使い道が決まっているお金”。
一方、貯蓄や投資は“自由に使えるお金”。
だからこそ、保険より貯蓄の方がリスク対応力は高いんです。
まとめ:保険は「愛情」ではなく「確率」で考えよう
「家族のために保険に入る」という言葉は、たしかに響きはいいです。
でも、冷静に考えると“確率の問題”なんですよね。
・起こる可能性が低く
・被害額も貯蓄でカバーできる
そんなリスクにお金を払い続けるのは、もったいない。
これからの時代の考え方は、
・ 公的保障を理解する
・ 共済で最低限カバーする
・ 残りは貯蓄・投資で備える
この3ステップで十分です。
「保険いらない」とまでは言い切らなくても、“共済+貯蓄”くらいでちょうどいい。
あなたの家計にとって、本当に必要な安心を選んでいきましょう。
読んでおきたいおすすめ本3選
最後に、「保険やお金の考え方をもっと整理したい」という方におすすめの本を紹介します。
どれも難しい理論ではなく、実生活に役立つ内容ばかりです。
1.『本当の自由を手に入れる お金の大学』(両学長)
保険・投資・貯金のバランスをシンプルに学べる1冊。
保険の不要論もわかりやすい。
2.『生命保険のカラクリ』(後田亨)
元・保険営業マンが暴く「保険業界の現実」。
読むと考え方が180度変わります。
さいごに
保険をやめるのは勇気がいります。
でも本当に大切なのは「たくさん入ること」ではなく、「自分に合った形で守ること」です。
共済と貯蓄でシンプルに備える。
それが、これからの“賢い安心の持ち方”だと思います。