1. オールベースアプローチとは?
投資の世界で近年注目されている「オールベースアプローチ(All-Base Approach)」は、米国で広まった投資戦略の考え方です。
簡単に言えば、いきなり株や仮想通貨に飛びつくのではなく、資産形成の“土台(ベース)”をすべて整えたうえで投資を進めるアプローチを指します。
アメリカでは金融教育や資産形成の議論が進んでおり、「投資で勝つこと」よりも「投資を続けられる仕組みづくり」が重視されます。
その流れの中で生まれたのが、このオールベースアプローチです。
2. なぜ土台づくりが大事なのか?
日本では「投資=株や投資信託を買うこと」と思われがちですが、アメリカの投資家はまずリスクに耐えられる基盤を固めることを優先します。
土台がない状態で投資を始めると…
・相場が下落したときに生活資金まで使い込む
・借金の利息が投資リターンを食いつぶす
・保険や備えが不十分で、突発的な支出に耐えられない
といった失敗が起きやすいのです。
3. オールベースアプローチの5つのステップ
アメリカ式の考え方をベースにすると、以下の順序で投資準備を整えます。
(1) 生活防衛資金の確保
生活費の6か月〜1年分を現金で確保。これが「投資を続けられる安心感」につながります。
(2) 借金と保険の整理
高金利ローン(リボ払いなど)は投資より先に完済。医療保険や社会保障のカバー範囲を確認。
(3) 資産配分(アセットアロケーション)を決める
株・債券・現金などを、自分のリスク許容度に合わせて分散。
(4) コア投資を選ぶ
米国株インデックスや全世界株インデックスを中心に据える。
個別株や不動産はその上に加えるスパイス。
(5) 定期的なリバランス
年1回程度、資産配分を見直し。市場に振り回されず、土台を守る。
4. 日本の投資家が学べること
アメリカの投資教育では「投資はマラソンであって短距離走ではない」とよく言われます。
オールベースアプローチは、長期で資産を築くための耐久力を高める方法です。
日本でも「NISA」や「iDeCo」が広まるなか、投資の入り口に立つ人が増えました。
ですが、いきなり銘柄選びや利回りの比較をするのではなく、まずは土台を作ることこそが成功への近道と言えます。
5. まとめ
オールベースアプローチはアメリカから広まった考え方で、
・投資を始める前に生活やリスク管理の基盤を整える
・長期的に続けられる「耐久力ある資産形成」を重視する
・銘柄選びよりも、土台づくりを優先する
というのが最大の特徴です。
投資を「資産を増やす手段」ではなく「人生設計を支える仕組み」として考える——。
これこそが、オールベースアプローチの真髄と言えるでしょう。
以上、「オールベースアプローチ」についての記事でした。
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