トルコリラの為替チャートが上昇しています。
あわせて先日トルコに関するニュースが有りましたので紹介します。
トルコ政府系ファンド、エネルギー関連投資へ
トルコ政府系ファンド、エネルギーや石油化学などに1.58兆円投資へ
トルコの政府系ファンド(SWF)は、エネルギーや石油化学、金鉱などの産業に150億ドル(約1兆5800億円)を投資する計画だ。
経済の脆弱(ぜいじゃく)性を減らすことを目的としたプログラムの一環。
トルコ・ウェルス・ファンド(TWF)のザフェル・ソンメス最高経営責任者(CEO)によると、同ファンドは対外貿易で常に赤字となっているこれらの分野に重点を置いている。
ソンメス氏は3日のインタビューで、「われわれにとって2020年は合併と買収の年だった」と指摘。「今年は直接投資を始める年だ」と述べた。
TWFの優先課題は、通貨下落や一連の難局に続く新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の後、経済秩序の要としてTWFが担う役割を浮かび上がらせる。TWFは昨年にトルコ最大の通信事業者、タークセルの経営権を取得することで合意したほか、国営保険会社数社の統合を行った。
シンガポールのテマセク・ホールディングスやマレーシアのカザナ・ナショナルをモデルにして創設されたTWFは政策当局者の極めて重要なツールとなっており、現在は金融、エネルギー、不動産関連企業の支配権を有している。
ブルームバーク記事より
トルコリラは上昇中!
トルコリラ日足チャート
2020年11月に中銀総裁解任が行われて以降、順調にトルコリラ相場は上昇し昨年8月以来のレートまで回復してきました。
2020年11月が12円付近のレートだったので3ヶ月程で20%の上昇となっています。
月足チャートではまだまだ下落途中に見えるが
上記はトルコリラの月足長期チャートです。
これを見るとまだまだ下落途中に見えます。
当面は2019年水準の18円台、20円台の回復を期待しています。
あと2023年に期限を迎えるローザンヌ条約でトルコリラが上昇することを期待しています。
ローザンヌ条約密約とは?
第一次世界大戦でトルコは敗戦国となり1920年に「セーブル条約」が、トルコと連合国との間に結ばれました。
しかしその後、1923年にトルコの主権を大幅に回復するための条約として「ローザンヌ条約」が結ばれます。
例えば、治外法権の撤廃などが盛り込まれました。
実はこのローザンヌ条約には「今後100年間、地下資源を開発しない」という明文化されていない密約が存在すると言われています。
そして、トルコは、周辺に豊富な石油が眠っていることが分かっていながら、この条約を遵守してこれまで地下資源の開発を行ってきませんでした。
しかし、1923年から100年経過した2023年、ローザンヌ条約の期限が切れます。
当然トルコは、2023年以降、地下資源の開発に着手するものと思われますが、このことはトルコ経済にとって大きなプラス要因として働くことが想定されます。
例えばアメリカを見ても、かつて地下資源が眠っていることが分かっていながら地下資源を輸入していた状況もありました。
それが、技術力の向上によってシェールガスや石油を採掘できるようになり、経済が持ち直した、という経緯があります。
トルコも石油を自給自足できるようになり、さらには輸出できるようになれば、アメリカ同様、経済が一気に盛り上がる可能性は極めて高いでしょう。
2023年にローザンヌ条約の密約満了? トルコ経済大躍進の予感も | マネーポストWEB
上記記事より引用
まとめ
中銀総裁解任からトルコリラが上昇しました。
まだまだ一時期に比べれば安値ですが、底はつけたような動きです。
また天然ガス田発見、政府系ファンドはエネルギー関連に投資と2023年のローザンヌ条約期限に向けて着々と進んでいるように感じます。
トルコ自体はインフレとエルドアン大統領と不安材料はまだまだありますが、将来大化けする可能性は十分あると思っています。
引き続きリスクの取りすぎには注意しながら投資していきたいと考えています。