2020年現在、投資を行う時に主に選択肢になるのが株式投資と外国為替証拠金取引(FX)です。
投資を行う上でレバレッジとボラティリティは重要ファクターの一つです。
株式投資とFXでレバレッジとボラティリティはどちらが有利か比較してみました。
他には投資信託がありますが、投資信託の性質上、売買を繰り返すのでは無く長期運用が前提になり易いので比較対象からは外しています。
レバレッジとは
レバレッジとはてこの原理のことです。
証券会社等に預けている金額に対して何倍の金額の取引が出来るかを表します。
例えば証券会社等に預けている金額が10万円だとします。
レバレッジ1倍とは10万円に対し10万円分の取引しかできません。
レバレッジ25倍とは10万円に対し25倍の250万円分の取引を出来ることになります。
少ない資金にレバレッジを掛けて取引できることは大きく儲けることができますが、その分リスクも大きくなります。
レバレッジ1倍なら投資対象が4%上昇すれば自分の資金も4%増えます。
もしレバレッジ25倍で取引を行い投資対象が4%上昇すれば4%✕25=100%になります。
投資対象が4%上昇しただけで、資金が倍になるのです。
次にリスクについて説明します。
レバレッジ1倍で取引を行って投資対象が4%下落したとします。
その場合は自分の資金も4%下落しただけで済みます。
もしレバレッジ25で取引を行っていたら、投資対象が4%下落した場合▲4%✕25=▲100%になります。
つまり4%下落しただけで自分の資金全て失うことになるのです。
資金を全て失うことで今後の取引できなくなります。
(再度取引を行いたいなら、再度入金する必要があります)
レバレッジは諸刃の剣なのです。
リスクをとってでも一発逆転的なギャンブル要素で取引を行うならレバレッジを高く設定して、逆になるべく安全にリスクを抑えたいならレバレッジは低く設定して下さい。
ボラティリティとは
ボラティリティー(Volatility)とは、一般的に価格変動の度合い(大きさ)を表します。
「ボラティリティーが大きい」という場合は、投資対象の価格変動が大きいことを意味し、
「ボラティリティーが小さい」という場合は、投資対象の価格変動が小さいことを意味します。
例えばA社の株は今日は1株100円だったが翌日は110円その翌日は90円になるとします。
100円が110円になるのでボラティリティは10%となります。
さらに翌日110円が90円になったのでボラティリティは約18.1%となります。
この2日間の平均ボラティリティは、約14%となります。
もしB社の株が今日は1株100円だったとします。
翌日105円になり、さらに翌日は95円になった時のボラティリティは
100円から105円のボラティリティは5%で
105円から95円にボラティリティは約9.5%になり
B社の2日間の平均ボラティリティは約7.2%になります。
したがって値動きの大きい投資対象(ボラティリティが高い)は大きく勝つこともあるが、大きくまけることも有ります。
一方値動きの小さい投資対象(ボラティリティが低い)は大きく勝つことはないが、大きく負けることもないと言えます。
レバレッジと同様にボラティリティの大きい投資対象はギャンブル的な要素が強くなりリスクも高くなります。
リスクを抑えたいなら、なるべくボラティリティの低い投資対象をおすすめします。
株式投資のレバレッジ
株式投資のレバレッジについては基本的に1倍です。
信用取引口座を使えば対象銘柄の30%を入金すれば取引できます。
(レバレッジ3.3倍)
しかし投資初心者は信用取引口座の開設ができません。
口座開設には投資経験年数や最低預け入れ金額などの審査が有る為です。
したがって株式投資は購入したい銘柄の同額以上の資金が必要です。
なお現在(2020年3月時点)で最低投資価格10万以下は東証だけでも1000社以上ありますので、それほど資金が用意できなくても株式投資を始めることは出来ます。
外国為替証拠金取引(FX)のレバレッジ
FXの醍醐味の一つがレバレッジです。
株式投資が基本的に1倍なのに対し国内FX業者でも最大25倍までレバレッジを掛けることが出来ます。
ちなみに2010年までは国内FX業者でもレバレッジ400倍まで可能でしたが損失が大きくなり過ぎて資金を回収できないFX業者と損失を抱える投資家が増えたので規制されました。
今でも海外のFX業者はレバレッジ規制がないので数百倍のレバレッジで取引できますので、レバレッジを効かせて大儲けしたければ海外FX業者を開設しても良いかもしれません。
なお投資初心者は国内FX業者の25倍で十分です。
25倍でも高いくらいです。
株式投資のボラティリティ
日経平均株価ボラティリティは平均で約20%前後です。(※日経平均HV)
※リーマンショック時には40%を超えることも有りました。
日経平均HVは、日本経済新聞社が算出・公表する日経平均株価ヒストリカル・ボラティリティ(Historical Volatility)のことで、日経平均の過去20日間の毎取引日の変化率から算出した数値をいいます。
あくまで日経平均なのでセクター(業種別)でさらにボラティリティは違ってきます。
外国為替証拠金取引(FX)のボラティリティ
FXは通貨ごとにボラティリティがかなり異なります。
またボラティリティを比較するうえで基本的な価格の大小もありますので注意が必要です。
なにより対象の通貨で起こった事象でボラティリティは変動が激しくなります。
EU離脱時には英国ポンドが、ギリシャショックでは欧州ユーロが、米国大統領選挙では米ドルが一気に動きます。
また基本的にマイナー通貨はボラティリティが大きくなります。
トルコリラショックでは30円から一気に15円まで半減しました。
時期によって値幅が大きく異なるのと、元の価格が異なるので一概に比較がむずかしいのですが、あえて順位をつけるとなると
英ポンド > 欧ユーロ > 米ドル の順番で値動きが激しいです。
それでも株式相場と比べると比較的変動は小さいです。
米ドル円でいえばせいぜい1日1円程度の範囲です。
昨日1ドル100円だったのが今日は1ドル90円になるなんてことは有りません。
(大変動が起こって無いと言い切れませんが1日で為替が10%動くなんてことは通常では考えられません)
(リーマンショックやコロナショック時は1日5円以上動く日もありました)
まとめ
レバレッジは株式相場では掛けられないがFXでは最大25倍まで掛けられます。
FXでレバレッジをかけられる理由は変動幅が少ないからです。
1ドル100円で1万米ドル購入し1ドル101円で売却しても1%の利益しか有りません。
そこでレバレッジを掛けて1%を最大25%まで上げる事ができるのです。
つまりFXはレバレッジをコントロールすることにより、変動幅が小さくても利益(損失)幅を自分で変えることが出来るのです。
その他にFXの利点の一つに流動性があります。
株は取引きの少ない銘柄だと売りたいときに買ってくれる人がいない場合があります。
自分の想定した金額よりもさらに安い値段でしか売れないなんてことも有りえるのです。
また値幅制限があり持っている株の会社が不祥事等でストップ安連続で何日も値がつかないことも有ります。
逆に好決算等で何日もストップ高が続くこともありますが。
FXだと流動性の低い時間帯(日本時間の早朝6:00~8:00ぐらい)は流動性が低下しスプレッドが広がってしまいますが、市場が開いている時間は基本的にいつでも売買が出来ます。
したがって投資初心者はFXでレバレッジを管理して(なるべく低レバレッジで)投資するのがおすすめです。
取引手数料と取引方法を比較した記事も参考に読んでみてください。